良品量産安定化技術 + その先へ
February 14, 2012
昨年、来期の計画書の準備をしているとき、
会社のビジョンだけでなく、製造業としてのビジョンも浮かんできました。
まず会社のビジョンは、ホッタンクに代表される「良品量産安定化技術」を確立すること。
「良品量産安定化技術」とは、
材料保管・材料乾燥・ガス抜き仕様・射出ユニットと金型の仕様と材質とコーティング・
成形条件、そして安定を維持管理する方法を用いて、
使用する材料や製品形状に合わせて最適を選択し、組み合わせることで、
初期立ち上げ段階(試作)~製品寿命(長期量産)の間、
いつでも、どこでも、
ずっと100%良品を安定して量産するための技術です。
そしてこの技術をニッポン発として、量産で困っている成形メーカーに伝えていきたい。
もう1つの製造業のビジョンは、日本の製造業の新しいモデルを構築すること。
2008年のリーマンショック以降、世の中は大きく変化してきました。
2011年の天災による影響、製造業を取り巻く環境、日本という国、
これらを考えた時に、今までの中小製造業の限界を感じるとともに、
新しい製造業のモデルを再構築する必要性を強く認識しました。
良品量産安定化技術を、そのための手段として使い、
日本らしさ(真面目さ・繊細さ)を残しつつ、
過去の反省を融合させて確立するような、、、、、。
「ケイレツ」とか「シタウケ」では無い、新しい企業同士の繋がり方。
企業同士のセッションとかコラボレートといった
融通性・柔軟性のある関係性を持ちながら、
その関係性の中で自給自足ができる持続性可能な製造業、
今あるイメージとしてはこんな感じです。
今後具現化させるには、幅広く多くの人と話す事が大切であると考えています。
どのような考えやアイディアが浮かんでくるのか、楽しみです。
今年も宜しくお願いします。
ありがとうございました。
Ohara Plastic Vietnam
December 18, 2011
私たちがベトナムへ現地法人を設立して、すでに9年経ちました。
毎年徐々に売り上げ、新しいお客様にも恵まれて、
今年5月に第1工場の隣の土地に第2工場を新設することができました。
関係者皆様のご協力のおかげです。ありがとうございます。
今回は、少しだけ工場内部のお披露目です。
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第2工場は、金型加工設備も置ける床耐荷重、オイルレスコンプレッサーなど、
弊社の本社東工場と同等クラスの工場です。
特に東工場より、優れている点は、フィルターのインサート成形エリアです。
砂ぼこり・異物付着をさせないため、工場内を仕切り、外部と遮断してあります。
来年10周年ですが、技術・品質的には日本と同等か、
製品によってはそれ以上求められています。
そのお客様からの要望を満足するために、また世界の競合と戦って勝つために、
第1工場も来年早々、第2工場と同等レベル以上に改修工事をします。
OPVの目標(~2015)
成形機100台、簡単な形状の金型設計製作
ベトナムの経済発展に少しでも貢献していきたいと思います。
ありがとうございました。
メタルインジェクションモールディング(MIM)
December 13, 2011
MIMで新しいことができましたので、ご紹介します。
MIMとは、メタル インジェクション モールディングといい、
樹脂の射出成形技術と金属粉末の焼結技術が合わさった加工方法です。
樹脂と同様の成形機と金型を使い、金属が錬り込まれた樹脂を射出成形後、
脱脂→焼結することで、樹脂部が飛び、金属だけが残るということです。
今回、0.3mmの薄肉に成功しました。
0.3mm部分の足は3本有ります。完全に流動し、
焼結後にも足の倒れ等の変形をしないように工夫する事ができました。
材料は、『SUS』です。
詳細はお問い合わせください。
ありがとうございました。
成形不良改善:PA6・PA66の量産安定化②
November 2, 2011
Hottankの効果。
導入して約1カ月、Hottankを使用した現場からの声をご紹介します。
①充填ピーク圧が下がる。(2~5MPa)
②クッション値のバラツキが小さくなる。(1~1.3mm)
③成形条件のバラツキ要因から、材料に起因を省ける。(除:溶融粘度)
④材料タンク内に材料が残っても、スイッチON状態を維持すれば、
そのまま継続使用できる。
⑤バリが小さくなるもしくは、出なくなる。(金型要因が明確になる)
⑥除湿乾燥機と合わせてPBT・PPSにも使用できる。
⑦色相はそれほど変わらない。
⑧ガスが多い材料(特に難燃剤入り)には、効果が出にくい。
(気泡が増えた。)
⑨流れが悪くなった。(水分率が一定になったことで、流動長が安定した)
Hottankは成形工程の一番初めである材料保管を目的とした設備であり、
良品量産安定化を目指すためには、現時点では必要なツールです。
また不具合発生時にも材料要因を省くことができるため、
より真因に近い部分で、対策をすることが可能となります。
貸出デモも行っておりますので、是非体感ください。
ありがとうございました。
成形不良改善:PA6・PA66の量産安定化
August 27, 2011
二つ目は、PA6やPA66での成形不具合についてです。
アルミ袋で納品されるPA材料の場合、
材料メーカーが工場出荷時の初期水分率を管理しています。
そのため、「開封直後は乾燥無しで成形可能」と記載されています。
では、何分後まで、乾燥無しで成形されているでしょうか?
もしくは、最初から乾燥機へ投入でしょうか?
成形開始時は良品だったが、時間が経つにつれバリが出て来た、
又可塑化が安定しなくなったなど、
量産時のPA材に関する困り事はたくさんあります。
この原因は何でしょうか?
弊社では、この部分を改善するミニマルツールを製作し、
バリの大幅低減・成形条件安定の効果を得ており、各工場に随時導入中です。
試作機1号です。

●設備説明
材料が25kg入る上部タンク、下部から材料を成形機ホッパーへ送っています。
タンク内材料は吸水しないようにドライエアーを常時流しています。
温湿度計を内部に仕込み、タンク内の湿度監視をしています(パトライト搭載)。
●設備の目的
開封直後から1袋使い切るまでの間、吸水をさせないための、
密閉式材料保管タンク。
(*乾燥機能は付いておりません)
●設備名
PA6/66材料用密閉式タンク「Hottank(ホッタンク)」
●効果
成形時間が経つにつれて大きくなるバリの回避、
可塑化成形条件安定、ハイサイクルなどの
量産時の品質・成形安定。
もちろん、Hottankの後に、除湿乾燥機を接続することも可能です。
PA材でお困りの方がいましたら、まずはお問い合わせください。
Hottankで解決できる内容であれば、お安くお譲りします。
*注意
*PA46、PA4T/6T/9Tなどには対応しておりません。
PA材以外にも材料吸水を避けて保管したいなどの用途にも
お使いいただけます。
この設備に関する問い合わせは、
ありがとうございました。
成形不良改善:PPSのクラック・割れ②….
August 11, 2011
お久しぶりです。
このブログを開設し、サーモを使い成形不良改善を行っていることを載せた事で、
色んな方面からアクセス頂きまして有り難うございます。
多くの成形メーカー様が、我々と同じようにPPSやPAの成形不良で、
お悩みになっている事が分かりましたので、
今回は続けて2つアップします。まず一つ目は、PPSのクラック・割れ②です。
2月の続報となります。現場で日々生産に追われながら、
約半年間にわたって改善を続け、結果不良ゼロを達成してくれました。現場へ感謝。
2月のおさらいとして….
①サーモ写真の高温部にクラック・割れが起こる
②この部分にある対策をしたら不良数が減った
ある対策とは、サーモで高温部が製品で確認されたので、
その金型部分にエアーを当てる事です。
今回の不良改善内容を明らかにしていきます。
①金型へのトラレ要因改善
・金型修正(入れ子の母材変更+コーティング、バリきり修正など)
②成形機要因改善
・3点セット交換、金型ヒーター制御を成形機側に変更
③材料要因改善
・除湿乾燥機の点検、修理、フィルター交換
・ホッパーから小型ホッパードライヤーへ変更
④成形条件要因改善
・金型強制冷却エアーの精度安定化
・可塑化条件の見直しとクッション安定化
⑤その他
・離型材塗布作業回数と量の低減
以上の事をすることにより、この品番の不具合0を達成中です。
量産時に不良を出さずに安定的に成形するためには、
これだけ時間がかかり大変であるという事がよく分かりました。
対策項目は全て書きましたが、詳細まで書いていません。
PPSでお困りの際には、何かお力になれることがあるかもしれませんので、
お気軽に弊社までお問い合わせください。info4570841@ohara-jk.com
ありがとうございました。
✟思い…「日本生産で世界に楽勝する」
May 9, 2011
日々、ブログ更新を思いながら、2カ月以上も経ってしまいました。
この間、刻々と見えてくる震災被害の影響の大きさを噛みしめています。
名古屋の地で、何をすべきか、限られた資源(ヒトモノカネ)を蓄えながら、
回復期に備え、レベルアップできるように毎日過ごしています。
ただしリーマンの時とは異なるので、
必要投資は緩めることなく、今まで通り行っています。
今回の震災の影響で、リーマンを乗り越えた日本企業が、さらに強くなると考えています。
この強みを生かし、弊社では、震災回復後の3年後までに、
「日本生産で世界に楽勝する」を達成できるように準備をしています。
これは、品質と技術力をさらに上げ、成形・金型のモノづくりを極め、
日本で生産しても、世界のコストに軽く楽勝することを目指すものです。
このためには、良品を長時間成形できることが大前提となります。
これを実現するために弊社で準備し始めている方法を一部紹介します。
①工場の温湿度管理原料置き場温湿度管理グラフ
今は1つの工場で、試している段階ですが、秋までにはベトナムを含め全工場で導入。
②材料の水分量管理
③サーモグラフィによる新規立ち上げ時、更新時、不具合発生時の解析。
その他にも色々とありますが、
ポイントは今まで見ていなかった部分を見えるようにし、良品率をあげる事です。
それでは有り難うございました。
成形不良改善:PPSゲート部クラックPART1….
February 23, 2011
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今回もPPS材です。成形品はφ約10mmの円錐台形状です。
ランナーのサーモ写真を見ると、8個取りですが、中央2個を止めてあり、
6個取りになっています(直して欲しい…)。
成形品サーモ写真の白い部分(高温部)内が凹になっており、
その中にゲートがあります。
この高温部、成形直後で152℃もありますね….
離型後に結晶化している状態です。
今回の不具合は、このゲート周辺にクラック・ひびが発生します。
不良率は、約24%ありましたが、
ゲート部に余計な負荷がかからないように、成形条件を変更したところ、
それだけで現在約6%に減っています。
また、対策して見えた課題が2つあります。
①日毎の不良率のバラツキが大きくなった。(不良率3~9%位。)
②キャビティ毎に不良率のバラツキがあり、
特にランナー両端のキャビティの不良率だけ異常に高い傾向が確認されました。
今後は、この2つの原因を探り、不良率1%以下を目指したいです。
続報をお待ちください。
ありがとうございました。
成形不良改善:PPSのクラック・割れ….
February 7, 2011
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PPSのカバーです。200tonクラスで成形してます。
この成形品は、
ジェッティング・ガス焼け・クラック・剥離・バリに悩まされてきました。
成形直後の成形品をサーモで確認したところ….
特に高温度の箇所に不具合が発生していました。
それにしても温度のバラツキが大きいですね。
この高温度部分に、ある対策をした所、毎日0~100個出ていた
クラックや割れが0になりました。
祝:不具合対策1発目!!
ありがとうございました。
2011/02/22
効果確認をした所、残念な結果が….
半自動成形なので、対策通りにできれば、不具合は無いのですが、
人によって、バラつくということが分かりました。
人によってバラつくようでは、まだ十分な対策とは言えません。
不具合ゼロになったと、大袈裟にしてしまい申し訳ありませんでした。
次の課題として、誰がやってもゼロでできる所まで対策をします。
Engineering Plastics….
January 19, 2011
私たちが日本とベトナムの工場で使用している樹脂材料は、
トータル毎月約65~70ton。
日本では、PPS・PBT・PA66が全体の70%。
ベトナムでは、PP・PA6・PA66・PBTで90%以上。
もうすぐPA46を使用した製品がベトナム工場で量産されます。
今までとはかなり勝手が違う材料とのこと、
その上湿度80%以上の気候です、どうなるか楽しみ…
量産時に困っている不具合は、
PPSではガスによるスクリュー・シリンダー・3点セット・金型の腐食・摩耗。
以上を起因とする計量のバラツキ、欠肉・バリ・ウエルド・ガス焼け。
ナイロン樹脂では、黒点や異物・変色(色ムラ)などです。
その他、反り・変形・クラックも… いっぱいありますね…
でも現場を見ると、技術や技能、専門知識が必要な不具合対策よりも、
ちょっとしたミスの防止や気付きや、
日々の簡単な保全で防げる不具合が多く感じます。
現在では、今まで「勘コツ経験」で語られていた成形不具合の対処方法が、
「論理的な説明と根拠」に基づき、実証もしくは否定され、
解決できることも増えてきました。
射出成形としての、新しい時代が始まったことを感じます。
日本の成形メーカーの皆さん、海外に負けずに頑張りましょう!!
不具合対策は、結果が出たものから、
少しずつご披露していきますので、宜しくお願いします。
読んで頂き、ありがとうございました…
